みなさまはマイナンバーカードを使っていますでしょうか。最近は保険証や免許証もマイナンバーカードの中に取り込まれて、だんだんと使用の機会が増えてきている気がします。ですが、これは筆者だけでしょうけれども、別に統合しなくても用が済むようなものを無理くり一緒くたにしている感じがしていて、とくには役に立ちはしないなぁというのが正直な気持ちでした。
そう思っていた筆者は、マイナンバーカードが会社設立の際に大活躍するのを目の当たりにします。
マイナンバーカードの電子証明書ってなんだ?
マイナンバーカードには2種類の電子証明書が搭載されています。
- 利用者証明用電子証明書:本人であることを証明します。
- 利用例:マイナポータルへのログイン、コンビニの交付サービス、マイナ保険証
- マイナンバーカード交付申請時に、(原則として)自動的に搭載されます。
- 署名用電子証明書:電子文書を送付する際に文書が改ざんされていないことを証明します。
- 利用例:e-TAXでの確定申告、オンラインの行政手続き
- マイナンバーカード交付申請時に、搭載を希望するかどうかを選択できます。
- 非搭載の場合、あとからでも市区町村の窓口で申請は可能です。
「署名用電子証明書」が搭載されていることが必須になりますので、 自分のマイナンバーカードがそうなっているかどうか確認しておきましょう。
電子証明書の確認
マイナンバーカードをめぐって2つの主要アプリ(2つ?)がありますので、それで確認します。
- マイナポータルというアプリ(内閣府番号制度担当室)
- マイナンバーカードを利用して、行政手続きや情報確認などを行うためのポータルサイトのためのアプリ
- JPKIMobileというアプリ(地方公共団体情報システム機構)
- 公的個人認証サービス(JPKI1)を利用して、オンラインで本人確認を行うためのスマホ用アプリ
- JPKI利用者ソフトというPC用アプリもある。
- 公的個人認証サービス(JPKI1)を利用して、オンラインで本人確認を行うためのスマホ用アプリ
なぜ2種類のアプリがあるのでしょうか?
それぞれ利用目的が違うからというのですが… わかりません。
単に所管部門が違うから2つできちゃってるんだ などと考えてはいけません。邪推もしくは言いがかりというものです(たぶん)。
マイナンバーカードにある電子証明書を確認するにはJPKIを使用します。
マイナポータルで利用者証明用電子証明書が確認できるらしいのですが、筆者にはたどりつけませんでした。どなたか確認に成功しましたら教えてください。
パスワードは4種類
マイナンバーカードには、なんとパスワードが4種類もあります。
- 利用者証明用電子証明書のパスワード(4桁の数字)
- コンビニの交付サービスなどで使用します。
- 住民基本台帳用のパスワード(4桁の数字)
- 住所異動の手続きを行う窓口で転入手続等に使用します。
- 券面事項入力補助用のパスワード(4桁の数字)
- 申請書類の記入時に、カード内の情報(氏名等)の使用を許可するためのものです。
- 署名用電子証明書のパスワード(英大文字と数字の組み合わせ)
- 申請時に書類の記入の手間を省くため、住所や氏名の記載を簡単にするために使用します。
たいていは、1~3は同一のパスワードに なっています。
会社の設立では、とくに署名用電子証明書のパスワードを確認しておきましょう。
なぜマイナンバーカードが必要なのか
会社は「法人」と呼ばれる人格を持っています(「法人」に対して人間は「自然人」と呼ばれています)。いまは会社設立の前の段階ですから、当然ながら法人格はまだ持っていません。ですから会社設立は、法人格を生み出すのに会社の設立者個人の人格を頼りに行う必要があるのです(会社設立の申請等に設立者個人が証明を与えるということです)。そして「会社の設立者個人の人格」を裏付けする一つの方法として、マイナンバーカードというわけです。
もちろんマイナンバーカード以外の方法で会社設立者が申請等に証明を与えてもよい(筆者はマイナンバーカードでしかやっていないので確かではありません)のですが、筆者の調べる限りでは、マイナンバーカードによる電子証明書発行がもっとも手軽で一番安あがり(マイナンバーカードはタダなので)です。

このことは逆に、会社が設立したあとはすでに独立した法人格を持っているので、会社の設立者個人の電子証明は使えないことを意味しています。会社設立後は、会社自身の電子証明書が必要となるのです。
ICカードリーダは必要か
マイナンバーカードを使うとして、その電子証明書を操作するためにはマイナンバーカードを読み込む何らかの仕組みが必要です。筆者として絶対の自信があっていう訳ではないのですが、会社設立の申請書等の作成にはPCのほうがよいでしょう。申告書等は何度も書き直すことになるうえに、書き直しが発生するとほかの文書にも影響があるのでPCでの作業のほうが向いていると思われます(筆者はやっていないので何ともいえませんが、スマホ・タブレットでも可能なはずです)。
PCの場合の、マイナンバーカード読み込みに必要な機器は以下の2通りが考えられます。マイナンバーカードの読み込みにICカードリーダではなく、スマホ等を選んだ場合には当然のことながらICカードリーダを購入する必要はありません(ICカードリーダとスマホとでは、所有率はだいぶ違いますよね)。
- ICカードリーダ
- 機器はどれでもよいという訳でもないらしく、以下を参考に慎重に選ぶ。
申請に利用する機器を選ぶ
- 機器はどれでもよいという訳でもないらしく、以下を参考に慎重に選ぶ。
- スマートフォン等
- 「申請に利用する機器を選ぶ」にあるとおり、スマホをICカードリーダ代わりに使えるそうです。
- 実はこの方法はあとから知ったので、筆者自身は試したことはありません。
- 「申請に利用する機器を選ぶ」にあるとおり、スマホをICカードリーダ代わりに使えるそうです。
- JPKI: Japanese Public Key Infrastructure ↩︎

